野菜の根はどのくらい広がるの?
 いろいろな野菜を作りながら、それぞれの野菜の茎・枝の伸びや葉の茂り方を見て育ち具合を判断しています。でも、地下の土のなかの根はどんなに伸びているのか、これを眼で見ることはできません。根菜類の収穫時やほかの野菜の株を抜き取るときに根が出てきますが、これは根全体の一部に過ぎません。野菜の根は地下でどんなに広がっているのでしょう?
 野菜の根はその全体を眼で見ることができませんが、植物にとって根は我々の足腰や胃腸に当たる大切な部分です。植物は根をしっかり張ることによって茎を安定させ、根から必要な養分を吸収して茎や葉に送ることによって炭酸同化作用を盛んにして、さらに枝葉を作り、体内に養分を蓄積することができます。根は文字どおり野菜作りの縁の下の力持ちなのです。

 
根はこんなに大事な体の部分なのに、野菜の根の広がりを研究した人は実はほとんどないのです。林木や果樹のような樹木でもごく少ないのです。そのわけは

  土の中のことなので、調査が大変面倒なこと。
 
野菜の根は細く切れやすいので、調べるのがとくに難しいこと。
 
土質や地形などによる影響が大きくて、調べてもほかに当てはまるとは限らないこと。

どの理由があるからです。

 ずいぶん昔、外国でウィーバーとブラナーという人が、4種類の野菜の根の広がりを調べてスケッチしました。その図を見てみましょう。図の目盛りは1フィート(約30センチ)です。



野 菜 の 根 の 広 が り
キュウリ
タマネギ ニンジン トマト


     

 この4種類の野菜の根の絵は最高に条件の良い土質の畑で広い面積に1株だけ栽培して調査されたそうです。こんな深い土の中で、根が呼吸をしているのは驚きですね。

 野菜の根の広がりは土質や地下水位のほか畝の作り方や株間などによって大幅に変わります。普通の畑ではこのスケッ
チほどには広がらないでしょう。でも、この絵を見ると、種類ごとの根の広がりの基本的な違いはわかります。
 
 ●キュウリの根は浅いところに横に広がり、深く入る根は少ない。
 ●トマトの根は横にも深いところにも大きく広がる。
 ●ニンジンの根は横にも広がり、とくに深く広がる。
 ●タマネギの根は広がりが小さく、横への広がりがとくに少ない


この観察から、それぞれの種類の栽培について考えて見ました。
 
 ●キュウリは根が浅いので土の乾燥に弱く、晴天の続くときはこまめに潅水しよう。
 トマトは根の広がりが大きく乾燥に強いので、潅水は少なくてよい。
 ●ニンジンは株が大きくなってからは根がよく広がるので、潅水はあまりいらない。
 ●タマネギは根の広がりが少なく、横への広がりがとくに少ないので、株間は狭くてよい。


 野菜の根は想像以上に広く深く根を張るものです。根を深く広く張ることで、地上の茎葉がよく生長し、丈夫になります。果実もよく発育します。そのためには、畑の水はけを良くし、畝幅を大きめにし、畝の高さも高めにしましょう。ただし、上の根の広がりのスケッチは生長がうんと進んだ時期の姿です。小苗のときは根の広がりが小さく活力も弱いので、土の乾き具合に応じてこまめに潅水し、中耕・肩上げをして、根の広がりを助けるように努めましょう。 

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