キャベツやタマネギはどうして結球するの?
 結球する野菜はキャベツとタマネギだけではありません。結球ハクサイ・メキャベツ・レタス・チコリー・ワケギ・オニユリなども結球します。結球野菜は、栽培農家にとっては、出荷のときに洗ったり束ねたりする手間がいらず、日持ちも良く、遠距離輸送ができるので、葉菜類の主流になっています。家庭菜園で作っても、扱いやすく日持ちが良い重要品目です。

 結球野菜は大きく分けて二つのグループがあります。ひとつは緑色の葉が巻いて球になるもの、もうひとつはタマネギのように地際や地下で葉の根元がふくれて球になるものです。

地中海 (北はヨーロッパ、南はアフリカ、西は中近東に囲まれている)


レタスの結球開始 キャベツの結球開始
タマネギの結球開始
キャベツの葉球
メキャベツ ハクサイの葉球
 野菜の結球という現象はなぜ起こるのでしょうか? これは元々、長い乾燥期に入るときに、葉からの水分の蒸発を防ぐためにとった植物の自衛手段だったのだろう、とチューさんは考えています。

 結球野菜の多くの種類の原産地は地中海沿岸です。地中海沿岸一帯は昔から夏乾帯(かかんたい)といって、夏の間わずかしか雨が降らず、冬はやや暖かくて雨に恵まれる地域です。
 キャベツタマネギなどの結球野菜の多くは、この地域に野生していた植物を栽培して野菜にしたものだそうです。野菜はどこから来たの?では中国北部が原産地としている結球ハクサイも、その大元は昔々地中海沿岸地域から渡来したようです。
 
 
でも、結球野菜たちは初めから今のようにしっかりと結球してはいなかったと思います。結球野菜の野生種は結球の程度がもっと緩やかで、形も乱れ、もっと貧弱だったに違いありません。それが、今のように大きく、形よく、しっかりと結球するようになったのは、永い間の品種改良によるものです。

 結球野菜には次の2つのグループがあります。

キャベツレタスのように葉が巻いて結球するもの。結球した葉のかたまりを葉球(ようきゅう)といいます。
 
タマネギニンニクのように地際の葉が分厚くなって結球するもの。結球した球を鱗茎(りんけい)といいます。
 * * * * * * * * * *
 葉球を作る結球野菜も、生長の前半は、ほかの結球しない葉菜類と同じように葉を何枚も広げます。これを外葉(がいよう)といいます。外葉が大きくなり枚数が増えて株の中心が暗くなると、その後に出てくる葉は内側に曲がるようになり、重なり合って葉球の形成が始まります。この結球葉(けっきゅうよう)の重なりが増え、大きくなって、結球が完成します。

 結球の途中で外葉を切り取ると、結球がバラけてしまいます。しっかりと大きく結球するためには、外葉がよくできて、株の中心が結球に適した環境になることが必要です。
・・
 今では
キャベツ結球ハクサイレタスもしっかりと結球するのが当たり前のようになっていますが、これはここ数十年の品種改良によるものです。昭和の初めごろまでは、キャベツ結球ハクサイも2〜3割くらいは畑でしっかり結球しないものでした。レタスは今の結球レタスではなく、巻き方のごくゆるい玉レタスが主流でした
 * * * * * * * * * *
 もう一方の、鱗茎を作るタマネギなどの大昔の野生種は、夏の乾燥がとくに厳しい地中海東部沿岸一帯に生えていたようです。このグループの野菜は、夏の乾季の来る前に日が長くなるのを感知して、葉の基部を太らせて水分や養分を蓄え、太った葉の基部は互いに硬くくっつけて球を作ります。その球の外側を乾いた膜のような保護葉(ほごよう)で包んで乾季に球の内部の水分が外に逃げないようにしました。

タマネギの鱗茎
 さらに地上の普通の葉を枯らして、乾季の2〜3ヶ月間休眠することにしました。休眠とは茎・葉・根の生長をすべてやめて生き延びる仕組みです。自発的な休眠ですから、休眠中は環境が変化しても芽は出ません。

 そして乾季の終わるころに休眠が終わって眼を覚まし、芽を出し始めます。こうした構造と性質のおかげで、
タマネギは収穫後常温で長期間の貯蔵ができるのてす。

 この
タマネギの結球と休眠の仕組みは、花のチューリップ・スイセン・ヒヤシンスなどと同じです。ですからこれらの花の球根もタマネギと同じ鱗茎です。名前は鱗茎といっても、本当の茎は全体のごく一部分で、大部分は太って厚みのある葉なのです。


このページのタマネギの結球開始の写真は青木繁伸氏のホームページから転載させていただきました。ご厚意お礼申し上げます。

野菜のはてな?の目次ページ    総目次ページ