チューさんの家庭菜園 ・ 肥料と病虫害


家庭菜園では、土が良くても数年たつうちにだんだん出来が悪くなってくる場合が多いようです。出来が悪くなる原因としては、忌地(いやじ)、ネマトーダ(土の中の線虫)の発生、土の中の有機質や養分の不足、病気の蔓延、害虫の増加などが挙げられます。忌地やネマトーダは栽培する畝を替える事でかなり防げます。
 肥料や農薬は多くの種類が販売されていて、どれを使うのが良いか選ぶのに困るほどです。
このページでは肥料と病虫害対策について、チューさんが今していることを見ていただきましょう。

施肥の基本
         
   
   IB 604 化成肥料 粒状苦土炭酸石灰
   

植物にとって肥料は我々の食べ物に当るものですから、施す時期・種類・量
をよく考えて決めなければなりません。
それらを決める前に植物に必要な養分についての基本を知っておきましょう。

植物の生育に必要な養分(元素)は、炭素・水素・酸素・
窒素・リン・カリウム・カルシウム・マグネシウム・硫黄・鉄・マンガン・亜鉛・銅・モリブデン・ホウ素・塩素の16元素です。このうち炭素・水素・酸素は空気と水から入るので肥料として与える必要はありません。硫黄と塩素も他の成分とともに入るので、とくに与える必要はありません。

窒素・リン・カリウム・カルシウム・マグネシウムは生育に多く必要な大量要素です。とくに窒素・リン・カリウム肥料の3要素と呼ばれる大切な成分です。カルシウム炭酸石灰消石灰の形で、マグネシウムは酸化物の苦土(くど)の形で施します。

その他の6成分は植物の生育にごく少量必要なもので、微量要素と呼ばれています。堆肥などの有機肥料を施していれば別に施さなくてもよいのですが、
ホウ素マンガンは欠乏しやすいので注意が必要です。

肥料の袋には肥料成分の量や割合が書いてあります。よく見て適応したものを買いましょう。

肥料設計

野菜に施す肥料の量や割合は種類ごとに違っています。種でも家庭菜園でそのたびに決めて計るのはとても面倒です。

そこでチューさんは畝の大きさを統一するとともに、1作ごとに1畝に施す肥料を同量にしました。

1畝あたり与える肥料

番号 肥料の名前 容 積 重 量
 苦土石灰    600ml    350g  
 堆肥・腐葉土   20リットル
 菜種油粕   1000ml  635g
 IB化成604    400ml  340g
 熔成りん肥    150ml  165g
 硫酸カリ     55ml    77g
  顆粒F・T・E    20g













左の表を見てください。これらがチューさんの今使っている肥料です。これを全部基肥(もとごえ)にします。③④⑤は前もっていくつも作って防湿袋に入れておきます。は3種類を一袋に入れます。

を畝にまいて耕し、7~10日たってから③④⑤をまいて、再び軽く耕して畝立てをします。微量要素肥料です。

熔成(ようせい)りん肥のなかにはBMようりんという名のものがあります。Bはホウ素、Mはマンガンのことです。BMようりんを施す場合は微量要素肥料は与えなくてもよいでしょう。

また、毎作苦土石灰(くどせっかい・苦土炭酸石灰)を施すとマグネシウム過剰になる恐れがあるので、春作に苦土石灰を施用し秋作には石灰を施す、などの工夫をしています。

肥料には粉状のものと粒状のものとがありますが、なるべく粒状のものを使っています。基肥を施してから10日以上経ってのちに、タネまきや苗の定植をします。

この肥料の量は、農家が使う指標の10アール当たり成分量に換算すると、チッ素とカリがそれぞれ18kg、リン酸が16kgとやや少なめなので、長期間栽培する種類には追肥を与えています。追肥には、くみあい液肥2号をうすめて使っています。エンドウやサツマイモは、ほかの野菜よりも肥料を少なく与えます。

苦土炭酸石灰 粒状消石灰 粒状油粕 IB化成604 熔成りん肥 硫酸カリ 顆粒F・T・E


チューさんの堆肥作り

堆肥作り用木枠

粉砕機にかけた落葉を木枠に入れる

木枠を上げた状態
サンゴジュの高生垣

落葉の粉砕

ガーデンバッグ
家庭菜園では堆肥の確保がなかなかできないものです。バーク堆肥や腐葉土などが販売されていますが、施す量が多いので費用もかさみます。

チューさんは自分の家の庭木の落葉と芝生の刈り取った分で堆肥を作っています。

落葉は庭と生垣の樹木とで自給しています。なかでもサンゴジュの高生垣の落葉が最大の供給源です。 自給できない場合は、近くの公園や神社などでもらってくることができれば好都合ですね。

落葉は篭やガーデンバッグに入れて、よく乾燥してから粉砕します。必ずしも粉砕しなくてもよいのですが、粉砕機を通した方が一様に腐熟します。粉砕といっても粉々にするのではなく、大きな葉をいくつかの断片に破砕する程度でよいのです。


落葉などを入れて堆肥を作るプラスチック容器もいくつか販売されていますが、チューさんは米松材で図のような木枠を作りました。この中にあらかじめ粉砕機にかけた落葉を入れて踏み固め、上にネットを置いて散らばらないようにします。

大雨や長雨のときはシートで覆うこともありますが、普通の雨水にはあてます。木枠の上まで入ったら、木枠の四隅にレンガやブロックをおいで順次木枠を上げてゆきます。

1シーズンまたは1年分の落葉や刈り取った芝が入ったら、木枠をはずして古いベタ掛けシートなどで覆い、腐熟した部分から堆肥として使います。木枠は年1回防腐剤を塗り、数年に1回防腐防虫塗料を塗って、長年使っています。

台所のごみは野菜くずや肉・魚・塩分などがあるので堆肥には使っていません。また、菜園から出る野菜の茎葉は、一回り小さい別の木枠に入れて菜園から離れた場所で腐熟させ、庭木の肥料にします。樹木の落葉は野菜に、野菜屑は樹木に、これを原則にしています。


病虫害防除

家庭菜園は無農薬としたいものです。チューさんは、小苗に病気や害虫が発生した時だけ殺虫剤や殺菌剤のスプレーを使いますが、その後は農薬を使いません。
ブロッコリの葉を食べるアオムシ
ナスの葉を食べる
メンガタスズメの幼虫





畑で病気が出たときは、ほかの株に触れないように、発生部分だけを切り取るかまたはその株を抜き取り撤去します。果菜類では、畝の上に堆肥やわらを敷いて、土のはね上がりによる病気の発生を抑えるようにしています。また野菜屑をできるだけ畑に残さないようにしています。

チューさんの菜園に多い害虫は、
アオムシ・ヨトウムシ・ネキリムシ・ユズボウ・アブラムシ・ウリバエ・ウスカワマイマイ(カタツムリ)などです。対策としては被覆・捕殺・水掛けなどがあります。

まず、育苗中や定植後は寒
冬 耕(前の畝)
 
向うの畝はサトイモの防寒被覆
冷紗などで被覆して、産卵を防ぎます。被覆していても、中で発生することもありますから、注意しなければなりません。

株が大きくなってからは捕殺します。ウリバエは早朝、アオムシ・ユズボウは日中、スズメガの幼虫は夕方、ヨトウムシ・ネキリムシは夜に見回って、手やピンセットで捕まえます。アブラムシなどの小さい虫の集団発生の場合は、水を掛けてこすり落としたりします。

そのほか、冬に空いている畝を耕して寒気にさらす冬耕も、病虫害を予防する一つの手段です。
施肥量は各土地の気候や土質によって変わります。病気や害虫の発生も地域によってずいぶん違います。このページに掲載した文章や図表の内容は、一つの例として見てください。もし損害が生じても責めには応じられません。
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